先日電車内でガムを食べてたら、口の中でガリッて音がした。
おや?と思いつつも咀嚼を続けてたら
ガリガリ
ジャリッ
て音が続いてる。
え、やばいかも、と思って口から出してみたら、うす〜い白い物体。
プラスチックみたいな、ちょうど歯のようなサイズ感。
歯やった。
白い、歯が、歯のカケラが手のひらにこんにちは。
ジャリった小さなカケラは飲み込んでしまったもよう。
歯が、欠けた、、???
4年くらい前に稽古中にハリボーを食べてたらハリボーの弾力にくっついて銀歯が外れた以来の衝撃。
今回はガム。キシリトールの。
歯のために噛んでるキシリトールがまさかの歯を壊すものになるなんて誰が想像できたでしょう。
ていうかどこの歯??
プチパニックになって一生懸命舌で歯をさする。
ジャリった感覚的に左側やな、と思って舌で探ってみても、なんにも分からない。
痛みすらない。
そう、痛みはない。。
痛くはない、、大丈夫ってことなのか?
と全然歯に詳しくない自分に問う。
痛みはない、、
その日は友達と遊ぶ約束をしてて待ち合わせ場所へ向かってる最中だったけど
「歯医者行くから今日ごめん」
と断りの連絡もできない小心者の私は、大丈夫と自分を納得させて藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた。
ドラミちゃんと手を繋いだり、先生のSFを堪能しつつも頭の中は歯のことでいっぱい。
ちなみに友達には待ち合わせ場所に着いたときに「歯が欠けたっぽい」って伝えたら
「え、大丈夫なんそれは」
と半笑いの一言で終わられて、こいつとの友情もここまでかと一瞬思ったけど心配してもらいたいと思う私が良くないと、また自分を納得させた。
浮ついたままに1日を終えて、明くる日。
起きてすぐ手当たり次第近所の歯医者に電話を掛けた。
前日に通ってる歯医者に電話をしたら、長いお盆休みに入ってて3日後まで行けなかったから、早急にこの不安を解決したかったためどこでもいいから電話をかけまくった。
が、お盆中の歯医者はどこも予約でいっぱい。
「明日なら」とか言われるけど今日がいいんだ私は( ; ; )
必死に探して、ようやく一軒見つけた。
その歯医者は、
「いつでも大丈夫です」
と一言。
安堵より感じる一抹の不安。
いつでも、、?
お盆のこの忙しい時期に、他の歯医者に空きのないこの時期に、、?
不安を胸に抱きながら自転車をこいで、すぐ近くにあったその歯医者へ。
小さな入り口。
中に入ると、初老(推定65歳位)の男性。
おそらく先生やなと思ってたら、受付も出迎えたままその先生がしてくれた。
ひとりでやってはるのかな?
問診票を書きながら院内を見渡す。
小さな待合室、いや待合室とも言えないただ椅子が置かれた2メートルの通路。
誰もいない、本当にいつでも大丈夫な状態だったのか。
書き終えて渡すと、その待合室で待つ事なく呼ばれてまっすぐ診察室へ。
「あの、欠けた歯を一応持ってきたんですけど…」
「あぁ、大丈夫です」
おぉ、そっか。
さすがベテラン見ないのね。
「どっちの、歯ですか?」(若干声が震えてる)
「左の、多分奥です…」
「はいはい…」
椅子に座り口を開く。器具を持つ手まで若干震えてて、私の口を押さえようとしたけれど、唇の端のとこで器具が滑って先生がおっととなっててちょっとびっくり。
10:30頃だけど、まだ身体が起きてはらへんのかな?今日の診察第一号なんかな私。心の中で小さくエール。
無事に器具を使って口を広げて中を見た先生はすぐ言った。
「どっちの歯だっけ?」
起きてないのは頭の方だったのか。
「左です」
カチャカチャと左側の歯を探る先生。
でもどうもはっきりしない手つきで、明らかに迷ってる。口の中から器具を出し先生は言った。
「歯、持ってきてる?」
いや見るんかーーーーーい。
と心の中で突っ込んでから、カバンからキシリトールの紙に包んだ歯を渡して見せた。
見せたけど、先生は
「んー…、欠けたっぽいところはないけどなぁ」
この時、既に昨日からの悶々とした状態への答えが欲しすぎてとっくに痺れを切らしてた私は、あろうことか先生に
「わからないですか?」
と聞いていた。もっと聞き方あるやろとすぐに反省してたけど、私の反省が早いか否か
「わからない」
と先生は秒で答えてくれた。
そこからもまた早くて
「あ、じゃあダイジョウブです」
と言い初診料だけ払ってその歯医者を後にした。
後日、通ってる歯医者にて診てもらうと、
「そこの歯、被せもんしてたとこが取れただけだからね、歯が欠けたわけじゃないから〜」
とフランクな先生がフランクに教えてくれた。
被せ物をしてること、知らなかったよ!!
あのおじいちゃん先生がわからないのも無理はなかったか。
自分の身体のことでも、知らないことってあるんだなぁ。
私の夏の大冒険は、こうして終わった。
おわり。
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